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 「でもこの星には、あなたしかいないよ!」
 「あの楽しみをしておくれ。それでも敬服しておくれ!」
 「敬服するよ」 両肩をちょっとすくめて、ちいさな王子は言った。「でもそれがどうしてそんなに大事なの?」
 そして、ちいさな王子は立ち去った。
 ( 大人って確かに変だ ) かれは旅を続けながら、ただそう思った。


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 次の星には、酒飲みが住んでいた。その訪問はとても短かったが、ちいさな王子は大きな憂鬱をかかえてしまった。
 「そこでなにをしてるの?」 酒飲みに聞いた。かれはたくさんの空のビンとたくさんの酒のはいったビンの前で、黙ってすわっていた。
 「酒を飲んでるんだ」 酒飲みが沈痛な雰囲気で答えた。
 「どうして酒を飲んでるの?」 ちいさな王子はたずねた。
 「忘れるためだ」 酒飲みは答えた。
 「なにを忘れるためなの?」 ちいさな王子はたずねた。もうかれを哀れんでいた。
 「恥ずかしさを忘れるためだ」 酒飲みはうつむきながら打ちあけた。
 「なにが恥ずかしいの?」 ちいさな王子はかれを助けたいと思ってたずねた。
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