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六歳のとき、大蛇ボアの外側と内側を描いたこと以外、決して絵を描いていなかったから! もちろん、ぼくは肖像画をできるだけそっくりに描くことにする。しかしうまくいくかどうか確信があるわけではない。ある絵はうまくいっても、ほかのはもう似ていない。身長もまたすこし間違える。ここではちいさな王子が大きすぎて、あそこではちいさすぎる。かれの服の色についても迷いがある。だからぼくは手探りで、どうにかこうにか、やっとのことで描いている。ぼくはもっとも重要な部分を結局間違えることもあるだろう。でも、そのことは許してもらわなければならない。ぼくの友だちは決して説明してくれなかった。もしかすると、かれはぼくを自分に似ていると思っていたのかもしれない。でもぼくはといえば、残念ながら、箱の外側から中の羊を見ることができないんだ。すこし大人のようになってきたのかもしれない。ぼくは年をとったに違いない。


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 王子の星、出発、旅につて、ぼくは毎日なにかを知っていった。偶然言った言葉から、すこしずつわかってきた。そういうわけで三日目にバオバブの恐ろしい話を知った。
 今度もまた、羊のおかげだった。というのは、ちいさな王子が深刻に疑うような感じで、突然ぼくに聞いたから。
 「本当なんだよね。羊が小さい木を食べちゃうって?」

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