SSブログ

47

 「ならぬ」 王さまは言った。
しかしちいさな王子は準備をおえていて、年とった君主にもうつらい思いをさせたくなかった。
 「もし陛下がちゃんと命令に従うことをお望みなら、もっともな命令をお出しください。たとえば一分以内に出発せよ、という命令みたいに。ぼくには状況がよくなってると思えますが. . . 」
 王さまがなにも答えなかったので、ちいさな王子は最初ためらっていたが、ため息をついて、出発した. . .
 「わしはおまえを大使にするぞ」 そのとき王さまは急いで叫んだ。
 かれは威厳のある、もったいぶった様子だった。
 ( 大人ってとても変だ ) ちいさな王子は旅を続けながら思った。



                    11

 二番目の星には、うぬぼれ屋が住んでいた。
 「あー! あー! わたしをほめる人が来たぞ!」 ちいさな王子を見かけるとすぐに、うぬぼれ屋は遠くから叫んだ。
 というのも、うぬぼれ屋にとって他人はみんな自分をほめる人なんだ。
 「こんにちは」 ちいさな王子は言った。「変わった帽子をかぶってるんだね」
4846 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。