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 かれがその星に着くと、点灯人に敬意をこめてあいさつした。
 「おはよう。どうしていま街灯を消したの?」
 「指示なんだよ」 点灯人は答えた。「おはよう」
 「指示ってなに?」
 「街灯を消すことだよ。こんばんは」
 そしてかれは街灯を再びともした。
 「でも、どうしていまそれを再びともしたの?」
 「指示なんだよ」 点灯人は答えた。
 「ぼくは理解できない」 ちいさな王子は言った。
 「理解できなくていい」 点灯人は言った。「指示は指示なんだ。おはよう」
 そしてかれは街灯を消した。
 それからかれは赤いチェックのハンカチでひたいをふいた。
 「ひどい仕事なんだよ。以前はもっとましだった。朝に消して、晩にともす。昼は休みがあったし、夜も眠れた. . . 」
 「じゃ、そのあと指示が変わったの?」
 「指示は変わっていない」 点灯人は言った。「悲劇はそこにあるんだ! この星は年々ますます速く回っているのに、指示は変わっていない!」
 「それで?」 ちいさな王子は言った。
 「それで、いまこの星は一分間に一回転する。わたしには一秒も休みがない。一分ごとにともしたり消したりするんだ!」

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