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 「星たちを所有してるの?」
 「そうだ」
 「でも、ぼくは前に王さまに会って. . . 」
 「王さまというのは所有しない。かれらは『支配する』のだ。これはたいへん違う」
 「じゃあ星たちを所有すると、なんの役にたつの?」
 「おれが金持ちになるのに役にたつ」
 「じゃあ金持ちになると、なんの役にたつの?」
 「ほかの星が買える。だれかがそれを見つけたらな」
 ちいさな王子は思った。( この人はあの酒飲みのような理屈をすこし言ってる ) 
 けれども、さらに質問した。
 「どうしたら星たちを所有できるの?」
 「それらはだれのものなんだ?」 ビジネスマンは気むずかしげに聞き返した。
 「知らない。だれのものでもない」
 「じゃあおれのものだ。おれが最初に所有することを考えたから」
 「それで充分なの?」
 「もちろんだ。だれのものでもないダイヤモンドをきみが見つけたら、それはきみのものだ。だれのものでもない島をきみが見つけたら、それはきみのものだ。最初にアイデアをきみが思いついたら、特許をとる。それはきみのものだ。そしておれはといえば、星たちを所有してるんだ。おれより先にそれらを所有しようと考えた人がだれもいなかったからだ」

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