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 それほどきっちりお化粧した花は、あくびをしながら言った。
 「あー! 目がさめたばかりよ. . . ごめんなさい. . .
まだ、髪がとても乱れてて. . . 」
 ちいさな王子はそのとき感心して、ほめないわけにはいかなかった。
 「なんてきれいなんだろう!」
 「でしょう」 花はゆっくり答えた。
 「それにわたくし、お日さまといっしょに生まれましたの. . . 」
 ちいさな王子は花があまりひかえめでないことを見ぬいた。でも感動するほどきれいだった!
 「朝食のお時間ですわね」 花はまもなくつけ加えた。「わたくしのこと、考えていただけますでしょうか. . . 」
 ちいさな王子はすっかり恐縮して、冷たい水がはいったじょうろを取りにいってから、花にかけてあげた。

 そういうわけで、気分を害しやすく見栄をはりたがる花の性格によって、すぐに花はかれを苦しめていた。たとえばある日、花は自分の四つのトゲについて話しながら、ちいさな王子に言った。
 「爪のある虎がきても平気よ!」

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